エルモさんからのお便り

「初めまして、いつも英語・英会話 ENJOY 大事典を参考にさせていただいています。

中学生のときから英語が好きで、今年から大学で英語を専門的に勉強しています。といっても、上手にペラペラしゃべれない状態です…。

そこで、兼ねてからの夢であった留学に、９月から１ヶ月の語学研修なのですが、アメリカに行けることになりました。

しかし、今までにホームステイや留学などしたことがない上に、うまく自分の気持ちを伝えられる英語力がないので、今、とても不安に思っています。また、ホームステイ先の家族と上手にコミュニケーションが取れるか心配です。

なので、海外に行くまでにこれは身につけていていた方がよい、といったようなアドバイスをいただきたくてメールしました。

語学研修にいってネイティブの人たちから学べるというよいチャンスを無駄にしたくないし、様々なことを吸収したいと思っています。でも、具体的に何をすればいいのか分かりません。今できること、また、研修中に気をつけることなど、宜しければアドバイスをいただきたいです。変な質問ですみません。よろしくお願いします。」

具体的にどのような語学研修か分からないのですが、アメリカで1ヶ月間の語学研修というとホームステイをしながら近くの語学学校に行くという感じでしょうか？

もしそうだとしたら私もまったく同じ経験をしています。2001年の夏にサンフランシスコの隣町のサンラファエルに1ヶ月間語学研修に行きました。通ったのはELSというアメリカの全国チェーンの語学学校です。ELSを卒業するとTOEFLなしでも提携先の大学に入学できるという特典がありました。

まず行く前にやっておけることとしてはリスニングの強化が最も重要だと思います。言うまでもありませんが、アメリカに行くとホームステイ先に限らずいろんな人と英語で会話する必要があります。

こちらがしゃべるときは自分のペースでしゃべれます。中にはイライラする人もいますが、しゃべっているのはこっちなのでゆっくりでも簡単な単語を並べようが、一応向こうに自分の言いたいことをある程度は伝えられます。

しかし向こうがしゃべっているときは向こうのペースにあわせなければなりません。もちろんこちらが英語のネイティヴではないということで、ゆっくりとしゃべってくれる人もいますが、そんなことはお構いナシにガンガン自分のペースでしゃべってくる人もけっこういます。

分からなかったら聞きなおすこともできますし、ゆっくりしゃべってくれと頼むこともできますが、やはりこちらが頼んでいる以上頼む限度というものがありますよね。それに頼まれたとしても向こうは自分のペースでしゃべりたがります。

ですので、しゃべるのは下手でも、リスニング力は鍛えておく必要があるのです。相手の言っていることさえ分かれば一応何とかなりますからね。

リスニングの勉強法はこちらを参考にしてください。

向こうに行ったあとはやはり日本人だけで固まり過ぎないように気をつけることでしょうか。9月だと高校生はいないと思いますが、かなり多くの日本人の大学生がいるはずです。もちろん彼らと仲良くするのは問題ないのですが、あまりに過度に固まりすぎるとせっかく他の国と人と話せるチャンスがあるのにそれを逃してしまうことになります。

あとはできる限り向こうの文化に触れてくることだと思います。アメリカには危険な地区がけっこうあります（バス停なんかドラッグディーラーがうろついているので注意です）から、そこら辺は気をつけないといけませんが、いろいろと街を散歩したり、スーパーや本屋に行ったり、隣町に観光に行ったりするといいと思います。これは別に日本人の友人と一緒でもいいと思います。

ホームステイ先の人がどこかに連れて行ってくれれば最高です。私の場合はNBAの試合に連れて行ってもらったのがいい思い出になっています。

そのほかにも現地のテレビを一杯見るのもいいと思います。

一見英語学習には結びついていないような気がしますが、帰国後のモチベーションが全然違います。自分が勉強している言語を使っている人のライフスタイルを実感することにより、英語文化に興味が出てくると思います。それによりモチベーションが高まりますし、彼らのライフスタイルを実感できる海外ドラマや英語ニュースなんかが好きになると思います。

私の場合はサンラファエルでフレンズと出会いました。それ以来海外ドラマが大好きになり、毎日のようにいろんなものを見まくっています。

行く前の人にあまりこういうことは言っては行けないのかもしれませんが、語学研修に行っただけで英語がいきなり上達するということはありません。しかしそれ以上に異文化で比較的長い間生活するということは大きな意味があります。

私も語学研修に行っていなかったらここまで異文化に興味を持ち、英語を勉強することはなかったかもしれません。貴重な機会ですから思う存分楽しんできてください。