アメリカ大統領選挙はまた2000年のように大混戦。

前回の大統領選はフロリダ州でブッシュ共和党候補とゴア民主党候補の差が非常に近く、さらには票の集計の仕方に問題があったため再集計をするだしないでもめまくった。（結局最高裁の判決によりブッシュが537票の差で勝利）

今の状況からどうなるかは分からないが、今年ももめそうな雰囲気である。
今度もめそうなのはフロリダではなさそうだ。
まだ分からないが恐らくオハイオではないだろうか？
さらに今回はProvisional Ballots（暫定票、暫定投票）という新しい制度をめぐってもめそうだ。

現在はブッシュ共和党候補がテキサスなど南部の州を中心に249票、ケリー民主党候補がニューヨーク、カリフォルニアなど人口が多い州を中心に242票を得ている。
（ここで言っているのは州としての持ち票です。州の持ち票の仕組みは"アメリカ大統領選挙の仕組み"をどうそ）

残っているのはウィスコンシン、アイオワ、ネバダ、ニューメキシコ、そしてオハイオである。
当選するのには270票が必要なので、ブッシュはあと21票、ケリーはあと28票必要になる。

それぞれの持ち票は
ウィスコンシン10票
アイオワ7票
ニューメキシコ5票
ネバダ5票
オハイオ20票
である。

現在の状況を見るとどの州も混戦だが、ケリーはオハイオを取らないと勝てないことが分かる。

オハイオの状況を見ると非常に混戦だ今の差は約12万票。
オハイオの全体の票が約550万票であるから、そんなに大きな差ではない。

ここで問題になってくるのが今回の選挙から導入されたProvisional Ballots（暫定票、暫定投票）である。
現段階でこの暫定票は数えられていないが、大きな要素になってくる。
はっきりとした数はまだ分かっていないが25万票以上あるとも言われている。

さて、では暫定票とは？

アメリカでは日本とは異なり、有権者登録というものをする必要がある。
どのように登録するかとかいつまでに登録するかというのは州によって違うが、基本的にはあらかじめ登録しておかないと投票ができない（当日登録できる州もある）。

他にもアメリカでは過去に罪を犯した人の扱いとか、2重登録している人がいたりとか、違う投票所にいってしまう人がいたりと様々な要素があり、混乱をきたすことが多い。そのためしっかりと"1有権者、1票"を実現するのが難しいのだ。

そのため投票に行ったら、"あなたの名前はリストにありませんが…"なーんて言われることがけっこうあるのだ。

そう言われた人はただ単に登録を間違えたのかもしれないし、違う投票所に行ってしまったのかもしれない。"そういう人の票もしっかりとカウントすべきだ！"という声が挙がり、暫定票というシステムができた。

これによりリストに名前がない人でもとりあえず投票してもらう。その後、もう一度データを整理して、ちゃんとした有権者かどうかをチェックした後に、1票としてカウントするかどうかを決めるというもの。

以前からこのシステムを悪用する人がいるのではと懸念の声も挙がっている。
実際に地区によっては"その地区に住んでいる大人の数より登録した人の人数が多い"とか"2つの地区以上で登録している人がかなりいる"などと混乱をもたらす要素がたっぷりとある。

暫定票はどこまで数えるのか？　（違う投票所に行った人などの扱いなどすでに共和党、民主党でもめている。）　本当にすべての有権者の票がカウントされるのか？

どっちかが暫定票の要素を除いても勝てるというぐらい差をつければ問題ないのだが、そうでなければ…、また2000年の繰り返しかもしれない。

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