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2005年01月14日

競走馬の一生

競走馬はどう生まれて、どう成長していくのかを簡単に説明します。

種付け→受胎
まだこのとき競走馬は生まれてませんが(苦笑)、一応説明を。
競走馬を生産する牧場は主に北海道にあります。

種牡馬と繁殖牝馬がおり、牧場主が所有している繁殖牝馬にどの種牡馬を種付けするかを決めます。
その際、自分が種牡馬を所有していたり、種付けの権利を持っていれば種付け料は払わずに済みますが、それ以外の場合は種牡馬の所有者に種付け料を払います。

種付け料は馬によって異なります。世間には知られていませんが、高い種牡馬だと千万円以上します。
逆に安い種牡馬だと無料なんて種牡馬も。

種付けは必ず春に行われます。

誕生
繁殖牝馬の妊娠期間は約11ヶ月。
ということでほとんどの馬は春に生まれます。
このとき歳は当然、0歳。競馬では当歳(とうざい)と呼びます。
その後はしばらくお母さんと一緒に過ごしますが、しばらくすると離乳と言って同世代の馬たちと過ごすことになります。

1歳になる
翌年の1月1日になると何日に生まれたかに関わらず、1歳になります。
ここが人間と違うところですね。2月に生まれた馬も4月に生まれた馬も1月1日になると突然みんな1歳になるのです。これは一生続くことで、馬は全馬1月1日に1歳年をとるのです。

牧場での育成
1歳の夏ぐらいになると牧場で競走馬になるための準備が始まります。
馬具をつけたり、人を乗せるための準備をしたりします。

入厩
2歳になり、少しずつ競走馬らしくなってくるとトレーニングセンターに入り、各厩舎に入ります。
馬によって成長の早さが違いますので、馬によって入厩の時期は違います。
入厩が3歳になってからの馬もいます。

デビュー
調教師の方針や馬の成長具合によりますが、早い馬は2歳の夏にデビューを迎えます。
まだまだ2歳馬は子供ですので、2歳馬だけで走ります。先輩の馬と一緒に走るのはまだまだ先の話です。

2歳の秋
このころになると2歳のレースも大分増えてきますし、デビューする馬も増えてきます。2歳の10~12月ごろに素質馬がデビューするケースが多いです。

2歳の12月
12月まではほとんどのレースが牡馬と牝馬が合同で走りますが、この時期になると徐々に男女の力の差が出てきますので、牝馬限定のレースが増えてきます。ちなみに牡馬限定のレースはありません。
そのため牝馬は牝馬限定のレースに出走するケースが増え、牝馬は牝馬、牡馬は牡馬だけで走ることになってきます。たまに強い牝馬が牡馬と一緒に走ることもあります。

また12月には初めてのGIレースがあります。GIレースとは一番レベルが上のレースです。
阪神競馬場のGI、阪神ジュベナイルフィリーズで2歳牝馬のチャンピオンが、中山競馬場のGI、朝日杯フューチュリティーステークスで2歳牡馬チャンピンオンが決まります。

ちなみに2歳馬のGIはこの2つだけです。

3歳の冬
馬によってはこの時期は牧場で休みます。
もちろんレースもありますので、レースに出る馬もたくさんいます。
まだ子供の馬が多いため、先輩の馬とは一緒に走らず、3歳だけで走ります。

3歳の春
この時期は3歳馬のGIが5つも行われます。

皐月賞、NHKマイルカップ、ダービー (牡馬、牝馬両方出られます)
桜花賞、オークス (牝馬限定)

基本的に牡馬はダービー、牝馬はオークスを目標として走ることになります。

3歳の夏
ダービーが終わると夏を迎えます。
ここからほんの一部のレースを除いては先輩の馬たちと一緒に走ることになります。
春にGIレースを走った馬はかなり疲れていますので、牧場で休む馬がほとんどです。
春に活躍できなかった馬は夏も頑張って走ります。

3歳の秋
3歳の春までは牡馬はダービー、牝馬はオークスを目標に走る馬がほとんどですが、夏からはそれぞれ自分の得意な距離やコースを走り始める馬が多いです。

10月には3歳馬だけで走る最後のGIレースが2つあります。
菊花賞 (牡馬も牝馬も出られます)
秋華賞 (牝馬限定)

3歳牝馬はこの時期、多くの馬が秋華賞を目標にしますが、牡馬の場合は菊花賞が長距離レースなので、長距離が苦手な馬は天皇賞などのほかのレースを目標にします。

3歳の10月以降
菊花賞が終わると3歳馬限定のレースはなくなります。
すべて先輩の馬たちと一緒に走ることになります。

菊花賞以降のGIレースは
天皇賞・秋 (中距離)
ジャパンカップ、有馬記念 (長距離)
マイルチャンピオンシップ (短距離)
エリザベス女王杯 (牝馬限定)
ジャパンカップダート (ダート)
です。

4歳の冬
秋のGIを走った馬はかなり疲れていますので牧場に放牧に出される馬もいます。

ちなみにダートが得意な馬はこの時期にGI、フェブラリーステークスがありますので、このレースを目指して走ることになります。

芝路線で春の飛躍を目指す馬はこの時期も頑張って走ります。

4歳の春
春になると本格的に競馬シーズン到来です。4歳以上の馬が出られるGIレースが4つあり、それぞれ得意な距離のレースを目指します。

天皇賞・春 (長距離)
宝塚記念 (中距離)
高松宮記念、安田記念 (短距離)

4歳の夏
春にGIを走った馬は疲れていますので放牧に出される馬が多い時期です。
この時期から後輩の3歳馬たちとも一緒に走ることになります。
秋の飛躍を目指す馬はここも頑張って走る馬もいます。

4歳の秋
菊花賞と秋華賞に出走できない以外は3歳の秋と対して変わりません。
4歳以上の馬が出走できるGIレースが7つありますので、それぞれ得意な距離やコースを目指すことになります。

天皇賞・秋 (中距離)
ジャパンカップ、有馬記念 (長距離)
スプリンターズステークス、マイルチャンピオンシップ (短距離)
エリザベス女王杯 (牝馬限定)
ジャパンカップダート (ダート)

5歳以降
5歳以降は4歳馬と同じです。基本は春と秋はGIを目指して走り、冬と夏は休みます。
もちろん馬によりますが。

引退
故障や歳で衰えたり、オーナーがこれ以上走らせる必要はないと判断した場合は引退となります。
引退後は種牡馬になったり、繁殖牝馬になったり、乗馬になったりと進路は様々です。

※:注意
ここで紹介したのは1流馬として活躍している馬の歩みです。
デビューする時期は馬によって違います。遅い馬になると5歳デビューなんて馬もいます。

また、あまり賞金を稼げていない馬は大きなレースには出られませんので、同じような成績の馬だけが出るレースに出ることになります。こういった馬は1流馬に比べて休みが少なく、1流馬が休んでいる夏や冬も走るケースが多くなります。

また当然のことですが、ケガをしている馬は春や秋でも治療のために放牧に出されることになります。


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投稿者 ヴァンダレイ

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